内科医が生涯成長し続けるために読むべき書籍7選

オススメ書籍

更新日:2019.07.19

内科医が生涯成長し続けるために読むべき書籍7選

今回は、内科医にとって重要な情報や指摘となりえる書籍を紹介します。

書籍①『内科診療 ストロング・エビデンス』

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著者名 谷口 俊文
出版元 医学書院
発売日 2013年12月16日

著者は医学博士であり、アメリカ内科専門医及びアメリカ感染症専門医の肩書きを持つ谷口俊文氏です。

内科医は過去の経験から独自の観点を用い診療にあたるケースも少なくありませんが、それ以上に根拠を元に診療を行うべきであるとの指摘が、この書籍には記されています。
また、そうしたデータ等を用いた根拠による医療を学ぶことや、実際に臨床でエビデンスを活用することの重要性も書かれ、総合内科医にとって欠かせない具体的な症例等を元に詳しく解説しています。

 

これからの時代は患者も医療情報の獲得がよりしやすくなるでしょう。
医師の主観による診療だけでは信頼は勝ち取れず、より根拠を元に診療することのニーズが高まると考えられます。
特にジェネラリストを目指す医師にとってこの点は非常に重要なため、そのような医師にはこの『内科診療 ストロング・エビデンス』は目を通しておくべき書籍となりえるはずです。

 

ジェネラリストへと向けた書籍ではあるものの、スペシャリストの医師からも「多くの分野に役に立つ」、「あらゆる専門医に手に取ってもらいたい」などといった評価を受けている一冊です。

 

書籍②『内科医のための 不眠診療はじめの一歩』

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著者名 小川 朝生/谷口 充孝
出版元 羊土社
発売日 2013年2月5日

精神医学及び精神腫瘍学を専門とし、日本精神神経学会の精神科専門医制度指導医として活躍する小川朝生氏。
そして、日本臨床睡眠医学会や日本精神神経学会などに所属し、日本精神神経学会精神科専門医やアメリカ睡眠検査技師の資格を持つ谷口充孝氏が編集に携わっています。

患者の中には睡眠障害に陥る人も少なくありません。
この本には、安易に睡眠薬等の薬物に頼るのではなく、不眠のストレスを和らげるためのあらゆる方法や考え方など、内科医が持っておくべき知識について記されています。 睡眠薬等を活用する場合には、どのような用量用法で服用してもらうべきなのか、ということに関してもまとめられています。

他にも、睡眠のコツ、夢について、枕の選び方、コーヒーによる睡眠への影響、そもそもなぜ人間は眠るのかといった、患者との距離感を近づけるための睡眠に関するあらゆる情報も記載されています。
患者とのコミュニケーションが重視される内科医にとって意味のある書籍となるでしょう。

『内科医のための 不眠診療はじめの一歩』を読んだ医師からは、「睡眠薬の本当の意味や基礎知識がわかる」、「不眠の悩みを抱える患者への接し方の参考になる」といった声も聞かれます。

書籍③『高齢者のための糖尿病診療』

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著者名 岩田 健太郎/岩岡 秀明/栗林 伸一/髙瀬 義昌
出版元 丸善出版
発売日 2019年02月28日

感染症のスペシャリストである岩田健太郎氏が監修し、自らも著者として名を連ねています。
さらに、日本糖尿病学会専門医等として活躍する岩岡秀明氏、同じく日本糖尿病学会専門医である栗林伸一氏、在宅医療や認知症などに精通している髙瀬義昌による共著となっています。

 

本書は、なぜ高齢者に糖尿病患者が多いのか、という基本的な知識から記されています。
高齢化に伴い増加が懸念される糖尿病等の慢性疾患に関する基礎知識に加え、高齢者の糖尿病の特徴や治療における基本及び注意点等について細かく解説。さらには合併症などにも触れ、座談会により著者である各医師の考え方等も率直に書かれています。

 

特に内分泌・糖尿病・代謝内科医にとっては、今後急増する高齢者と糖尿病患者にどう対応すべきかが把握しやすい内容となっています。在宅医療に関する必要性や考え方等もまとめられており、多くの内科医にとって大いに参考になる一冊となるでしょう。

 

「他の書籍では触れられていない、高齢糖尿病患者の基本が書かれている」との評価もあり、特に高齢者医療や在宅医療を専門とする医師から高い評価を受けています。

 

書籍④『透析ハンドブック 第5版』

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著者名 小川 洋史/岡山 ミサ子/宮下 美子/新生会第一病院在宅透析教育センター(編集)
出版元 医学書院
発売日 2018年2月26日

日本腎臓学会や日本透析医学会に在籍し、透析分野のスペシャリストである小川洋史氏らが著者として名を連ねる、『透析ハンドブック 第5版』。
著者である岡山ミサ子氏や宮下美子氏は、透析看護に精通しています。
いずれも新生会第一病院で患者への診療等にあたっているのですが、この新生会第一病院は在宅血液透析を積極的に行っていることでも知られています。
そのノウハウを医師や看護師の視点からまとめ上げたのが本書です。

 

透析に関する基礎的知識が記載されており、内科医はもちろん学生等にも役に立つ一冊となっています。
透析のプロセスや、透析患者への対応、あらゆる可能性とその対処法などがイラストとともにまとめられ、これまでの「透析ハンドブック」と比較しても非常にわかりやすく解説されている点が特徴でしょう。
また、今後、より重要性を増してくる患者の家族との接し方、日常生活に対する指導方法、透析と社会保障の関係、心の問題などにも触れています。
高齢化社会を迎えるこの国の人工透析科医にとって、ガイドブック的な役割も果たしてくれるはずです。

 

実際にこの書籍を読んだ医師からは「透析のいろはがわかる」などと、高い評価が聞かれます。
透析に携わる科への転科を検討している医師の方にもおすすめです。

 

書籍⑤『レジデントのための循環器疾患診療マニュアル』

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著者名 苅尾 七臣
出版元 医学書院
発売日 2019年3月11日

著者である苅尾七臣氏は、2009年に自治医科大学内科学講座循環器内科部門教授に就任。
2015年からは自治医科大学地域医療循環器先端研究開発センターの教授として、循環器内科学部門を取りまとめています。

高齢化とともに循環器疾患患者は今後も急速に増え続けることが確実ですが、それに対応するために必要な基礎的な知識についてまとめられているのが本著です。
問診や診察のポイントといった、医師が患者と関わる最初の段階から解説されているのも一つの特徴です。
狭心症、急性及び慢性心不全、高血圧症、不整脈など、あらゆる疾患に分類され、症状等のマネジメントについて記載されており、循環器内科医に不可欠な検査や手技、治療なども簡潔にまとめられています。

 

高齢者や妊婦など、とりわけ注意すべき患者への対応や、業務に欠かすことのできないカルテ・サマリー作成、これからの医師に必ず求められることになるインフォームド・コンセントなども解説。
それをタイトル通りレジデントに理解しやすいようマニュアルのような形で記載されているのが、本著の最大の特徴です。

 

「わかりやすい」、「土台作りに役立つ」など特に若い医師からの評判が良く、循環器科医の専門医として活躍する医師にも好評の一冊となっています。

 

書籍⑥『モンスターペイシェント 対策ハンドブック』

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著者名 JA徳島厚生連阿南共栄病院教育委員会
出版元 メタ・ブレーン
発売日 2011年8月25日

JA徳島厚生連阿南共栄病院教育委員会編集の、『モンスターペイシェント 対策ハンドブック』。
個人名義での著作ではないものの、当院の名誉院長である三宮健治氏は、「患者に安心安全な医療を提供するためには、医師の人権や精神等を守ることが必要である」と訴えています。

 

これまでの院内暴力マニュアルとは少々異なり、医療現場で働く医師や看護師、職員などがすぐに実践可能なガイドブックとしての役割を果たしてくれています。
単に知識を獲得するためだけではなく、実際にモンスターペイシェントと呼ばれるような患者と相対した際、どれだけ確実に実行・対処できるかに着目している点が最大の特徴でしょう。

 

具体的には、ICレコーダーの活用や警察との連携などに触れられ、そもそもモンスターペイシェントとはどのような人たちなのか、そのような人たちを生まないための予防術はあるのか、などについても記されています。

 

今後もモンスターペイシェントは確実に増えていくでしょう。
特に常に患者と接する立場にある内科医は、こうした書籍がトラブルを未然に防止する事へと役立つはずです。

 

「内科医はもちろん医療従事者なら読むべき本」、「実践的かつ具体的に書かれている」といった評判もあり、ここからも内科医にとって有用であることがうかがえます。

 

書籍⑦『やさしい英語で外来診療 聞きもらしのない問診のコツ』

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著者名 大山 優/安藤 克利
出版元 羊土社
発売日 2012年9月5日

本著は、がん専門医として一線で活躍する大山優氏が監修を務め、目黒ケイホームクリニック院長で、がん薬物療法専門医や気管支鏡専門医でもある安藤克利氏が著者として名を連ね作成されています。
大山優氏、安藤克利氏ともにアメリカの医療にも精通しており、その経験や知識を元にこの『やさしい英語で外来診療 聞きもらしのない問診のコツ』がまとめられています。

 

日本を訪れる外国人観光客の数は急増し、オリンピック・パラリンピック、万博、IR開業と、その数はこれからも右肩上がりとなると予測されています。
移民の受け入れ等も緩和されるため、日本の医療機関を受診する外国人の数は確実に増え続けるでしょう。

 

内科医はこのような日本を訪れる外国人への対応も求められることになります。
その際に英語でどのように問診をすればいいのか、などについてまとめられているのがこの書籍です。
簡易的な英語表現が記載され、さらにCDによって耳で勉強することもでき、実践で活用しやすい内容となっています。

 

外国人患者が多く訪れるようになってきたという医療機関の医師からは、「シンプルな表現だが、海外でも通用するような表現が多く収められている」など、高評価の声が聞かれます。

 

内科医が読んでおきたい書籍のまとめ

・『内科診療 ストロング・エビデンス』は、根拠に基づく診療が求められる医師におすすめ
・『内科医のための 不眠診療はじめの一歩』は患者との距離感を縮め、診療のしやすさを実感させてくれる一冊
・高齢化社会に向けて、特に内分泌・糖尿病・代謝内科医にお勧めしたいのが『高齢者のための糖尿病診療』
・透析治療に関してイラスト入りでわかりやすく解説してくれている『透析ハンドブック 第5版』
・患者数増加が見込まれ需要も増えることが確実な循環器内科医のための『レジデントのための循環器疾患診療マニュアル』
・安全で安心な医療を提供するために不可欠な患者への対応が記された『モンスターペイシェント 対策ハンドブック』
・インバウンド増加に向け是非内科医に手に取っていただきたい『やさしい英語で外来診療 聞きもらしのない問診のコツ』

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